第五首・第六首は「宇宙・天地の創成」を歌ったものとされ、カタカムナ宇宙論の核心を最も直接的に表現する歌として重視される。楢崎の解釈によれば、これらの歌は「アマ(根源の場)から最初の渦動が生じ、カムのエネルギーが凝集してマリ(粒子)となり、物質世界が出現するプロセス」を詠んでいるとされる。
「アマはじまり(宇宙の始まり)」というフレーズが登場し、記紀神話の「天地初めて分かれき」という表現と類似した「創世の言葉」として機能している。しかし宮下文書・竹内文書との決定的な違いは、カタカムナの創世歌は神の名前や神話的物語ではなく、「物理的プロセスの記述」として解読される点にある。
楢崎はこれらのウタヒを、「超古代のカタカムナ人が量子論・場の理論・相対性理論に相当する知識を、歌という形式で後世に伝えた」という観点から解読した。この「詩的言語による科学的記述」という発想が、カタカムナ文書の最大の独自性であり、また最大の批判対象でもある。